LLMOの効果測定|AI可視性を測る指標と計算方法
LLMO対策の成果を測る指標を、言及率、表示順位、シェア・オブ・ボイス、引用元の割合に分けて解説します。計算式と具体例、記録の取り方、AI可視性スコアを見るときの注意点も紹介します。

LLMOの効果測定は、決まった質問(プロンプト)を同じ条件で定期的にAIに聞き、回答を保存したうえで、言及率、表示順位、シェア・オブ・ボイス、引用元の割合を、計算方法を決めてから数えることで行います。 数字を出すときは、分子と分母、取得に失敗した回数、確認した期間を必ず一緒に示します。
LLMO対策の進め方はLLMO対策のやり方で解説しています。この記事では、成果を数字で確かめる方法に絞って説明します。
1件の記録を決める
測定の最小単位は「ひとつの質問に対する、ひとつのAIの、1回の回答」です。1件ごとに次の項目を保存します。
- 質問の文面と、記録のID
- 確認した日時、AI、言語、地域、検索モード
- 回答の全文
- 回答に表示された引用元のURL
- 取得に失敗した場合はその状況(エラー、空の回答など)
質問は、顧客の判断に関わるものから選び、「探している段階」「比較している段階」「自社名を含む質問」に分けておきます。期間中は質問の文面を変えないことが大切です。変える場合は、別の比較グループとして記録を始めます。
指標1:言及率
言及率 = 自社名が出た回答の数 ÷ 取得できた回答の数 × 100
- 1つの回答の中で何度名前が出ても、1回として数えます
- 自社名の表記ゆれ(英語表記、略称など)は、あらかじめ一覧にしておきます
- どのブランドも出てこなかった回答も、分母に含めます
- 取得に失敗した回答は分母から外し、別の項目として数えます
あわせて「取得率(取得できた回答 ÷ 予定していた回数)」も示すと、数字の信頼度が伝わります。
指標2:表示順位
AIが複数のブランドを順番に挙げている回答で、自社が何番目に出たかを記録します。
- 同じブランドが2回出ても、最初の1回だけを数えます
- 名前が出なかった回答は「なし」、順番に意味がない回答は「順不同」として、平均の計算から外します
例:1位が3回、2位が5回、3位が4回なら、順位の合計は3+10+12=25、対象は12回なので、平均は約2.1位です。平均だけでなく、対象になった回答数も一緒に示しましょう。
指標3:シェア・オブ・ボイス(SoV)
SoV = 自社の言及数 ÷ 比較対象のブランド全体の言及数
比較する競合をあらかじめ決め、期間中は変えないことがポイントです。
例:自社が12回、競合Aが18回、競合Bが10回なら、全体は40回で、自社のSoVは12 ÷ 40 = 30%です。
新しい競合が見つかった場合は、まずメモに残し、次の見直しのタイミングで比較対象に加えます。比較対象を変えたときは、前の期間も同じ対象で計算し直してから比べます。
指標4:引用元の割合
引用元の割合 = 自社ドメインの引用元URLの数 ÷ すべての引用元URLの数
- 1つの回答の中で同じURLが何度出ても、1回として数えます
- 計測用のパラメータなど、ページの内容が変わらない部分は取り除いてから数えます(取り除いたルールは記録します)
- 引用元の表示がない回答と、引用元が空の回答は分けて記録します
自社名が出ること、自社のURLが表示されること、AIが特定の文章を引用したことは、それぞれ別の観察です。URLが表示されただけで「引用された」と決めつけないようにしましょう。
具体例で計算してみる
架空の予約サービスで、8つの質問を1週間に4回ずつ確認したとします(数字はすべて説明用の例です)。
| 指標 | 分子 | 分母 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 取得率 | 取得できた回答 30 | 予定 32 | 93.75% |
| 言及率 | 自社名が出た回答 12 | 取得できた回答 30 | 40% |
| 平均表示順位 | 順位の合計 25 | 順位がある回答 12 | 2.1位 |
| SoV | 自社の言及 12 | 自社と競合2社の言及 40 | 30% |
| 引用元の割合 | 自社URL 9 | すべての引用元URL 60 | 15% |
AI可視性スコアを見るときの注意点
多くのツールは、これらの指標をまとめて「AI可視性スコア」のような1つの数字で示します。全体の傾向をつかむには便利ですが、次の点に注意が必要です。
- 計算方法はツールごとに違います: どの指標を、どんな重みで組み合わせているかを確認しましょう
- スコアだけでは直すべき点が分かりません: スコアが下がった理由は、実際の回答を読まないと分かりません
- 質問の選び方で大きく変わります: 自社名を含む質問が多いと、スコアは高く出やすくなります
スコアを使う場合も、元になった回答をいつでも確認できる状態にしておきましょう。ツールの数字がどこまで信頼できるかはAI可視性ツールの精度でも解説しています。
回数と頻度の目安
最初は、20個の質問を1週間に3回ずつ確認する(1つのAIあたり60回)くらいから始めると、無理なく続けられます。毎週は取得の失敗や気になる回答を確認し、毎月は同じ質問のセットで数字を比べます。
AIの回答は、同じ質問でも毎回変わることがあります。都合の良い結果が出るまで聞き直すのではなく、決めた回数をそのまま記録しましょう。
数字の読み方の注意
- 少ない回数では、数字が大きく動きます。60回の回答で言及が6回増えると、言及率は10ポイント変わります
- 改善の前後で数字が変わっても、それが改善の効果だとは断定できません
- これらの指標は、サイトへの流入や売上を直接示すものではありません
まとめ
LLMOの効果測定では、1件の記録を決め、言及率、表示順位、SoV、引用元の割合を、計算方法を決めてから数えます。数字と一緒に、分母、失敗した回数、期間を示し、元の回答をいつでも確認できるようにしておくことが大切です。
SearchSeal では、ChatGPT、Gemini、Perplexity、GoogleのAIによる概要の回答を毎日保存し、自社と競合の言及、順位、引用元を記録します。数字の元になった回答をそのまま確認でき、競合の分析では、競合ごとの差も比べられます。
よくある質問
効果測定の記録には何を入れればよいですか?
質問と回答のID、質問の文面、日時、確認したAI、取得の状況、言及されたブランド、表示順位、引用元のURLを入れます。計算のルールと比較対象の競合は、別のメモにまとめておきます。
新しい競合が見つかったらどうすればよいですか?
まずは観察した内容として記録します。正式な比較対象には次の見直しのタイミングで加え、前の期間も同じ対象で計算し直してから比べます。
1つの回答で何度も名前が出た場合は?
この記事の数え方では、1つの回答の中では1ブランドにつき1回として数えます。引用元のURLも、1つの回答の中では同じURLを1回として数えます。
AI可視性スコアだけを見ればよいですか?
スコアは全体の傾向をつかむには便利ですが、計算方法はツールごとに違い、直すべき点までは分かりません。元になった回答も一緒に確認しましょう。