LLMO対策の費用対効果(ROI)の計算方法

LLMO対策の診断と改善の費用対効果(ROI)を、AIからの成果の粗利、ツールと作業の費用、計算の例、改善の前後の期間の比べ方で解説します。計算で言えることと言えないことも整理します。

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AI可視性の計測を比べる様子を描いた水彩画

LLMO対策(GEO、AIOとも呼ばれます)の診断と改善のROIは、「(AIから来た成果の粗利 − 診断と改善の費用)÷ 費用」で計算します。 100を掛けるとパーセントになります。粗利はアクセス解析とCRMの記録から、どの成果をAIからとみなすかの期間とルールを決めて計算します。

ROIの計算に含めるもの

LLMO対策は、AIの回答での自社の紹介のされ方を改善する取り組みです。診断はアクセス、事実、内容の不足を見つけ、改善はページや情報源の具体的な不足を直します。診断のスコアや言及の回数そのものは、売上ではありません。

始める前に、ビジネスの成果を決めます。完了した購入には、計測できる粗利があります。トライアルや問い合わせは、その後の売上とのつながりを記録しないと、同じ価値を付けられません。すべての問い合わせに顧客1人分の価値を付けず、成果の種類ごとに分けて示しましょう。

この式で分かるのは、決めたルールでの「AIからとみなした」リターンです。取り組みが利益を増やしたと言うには、取り組まなかった場合の推定も必要です。前後の差だけでは、それは分かりません。

計算の例

次の数字は、計算の流れを示すための架空のものです。SearchSealの料金、お客様の結果、予測ではありません。

ある期間に、アクセス解析でAIから来たセッションが1,000あり、20件が購入につながったとします(コンバージョン率2%)。CRMと注文の記録では、1件あたりの売上が30,000円、粗利率が50%で、1件あたりの粗利は15,000円です。

例の項目計算結果
AIからとみなした購入1,000セッション × 2%20件
AIからとみなした売上20件 × 30,000円600,000円
AIからとみなした粗利600,000円 × 50%300,000円
診断と改善の費用ツールの按分 50,000円 + 20時間 × 5,000円150,000円
ROI(300,000円 − 150,000円)÷ 150,000円100%

この100%は、期間中のAIからとみなした粗利すべてを、取り組みの費用と比べたものです。同じ条件の比較期間でもすでに150,000円の粗利があったなら、増えた分は150,000円だけです。その差を使うと(150,000円 − 150,000円)÷ 150,000円 = 0%で、ほかの変化はまだ考えていません。どちらの計算を報告するかを書いておきましょう。

AIからのセッションの数え方

アクセス解析の集客のレポートで、AIの参照元やキャンペーンの参照元が分かるセッションを探します。参照元のルール、期間、ランディングページをレポートと一緒に残します。クローラーのアクセスを人と数えない確認のしかたは、ChatGPTからの流入を計測する方法で解説しています。

リダイレクトやキャンペーンの値の扱いを確認し、サイトに着くまで参照元が消えないようにします。分類のルールを変えたら記録します。新しいルールだけで、実際の訪問が変わらなくてもAIからの流入が増えたように見えることがあります。

確認できる参照元は一部だけです。参照元のないアプリからのクリック、アクセス解析への同意の拒否、クリックせずに回答だけ読む人もいます。足りない分を補うために、direct(直接)のセッションをすべてAIからに加えてはいけません。

コンバージョン率と価値の出し方

比較の期間と比べる期間で、コンバージョンの定義をそろえます。同じグループのセッションでコンバージョンを割るか、ユーザー単位で計算するなら、そう書いておきます。ユーザーとセッションの分母を説明なしに混ぜないようにしましょう。

完了した売上は、返金と自社の粗利の計算方法も含めて、注文やCRMの記録と照らし合わせます。サブスクリプションの製品なら、観察する期間を決めます。1か月分の費用しか入れないのに、想定した顧客の生涯の価値をすべて分子に入れるなら、その前提を明記しましょう。

問い合わせが成果なら、売上が確定するまでは、商談の段階ごとに報告します。見込みの数に実際の成約率と1件あたりの粗利を掛けて予測することもできますが、推定と書き、数字の元を示します。確定した粗利と、見込みの商談の価値は分けておきましょう。

含める診断と改善の費用

その取り組みに使ったツールの利用料の一部、外部の診断の費用、記事の作成やエンジニアの時間、確認の時間、その後の計測を含めます。社内の時間は、会計の目的に合わせて決めた同じ単価で計算し、単価は前提として記録します。社内の人の時間を、費用がかからないものとして扱わないようにしましょう。

共有しているツールや、複数の目的の作業は、同じルールで按分します。ページの改善の半分が通常の検索のため、半分がAIの回答の正確さのためなら、その分け方を説明します。利用料全体を複数の取り組みにそれぞれ入れて、合計してはいけません。

役に立つ改善は、確かめられる変化を生みます。クローラーのアクセスの失敗を直す、製品の事実を訂正する、連携の質問に答える、料金の条件を書く、といったものです。対象のURL、作業の内容、時間、公開日を記録します。実施されなかった診断の提案は、完了した改善ではありません。

direct(直接)とブランド名の検索への影響

AIの回答を見た人が、あとでドメインを入力したり、ブランド名で検索したりすることがあります。サーチコンソールで、同じ条件の期間のブランド名の検索の表示回数とクリック数を確認します。「何で知りましたか」という項目に、AIの回答の選択肢と自由記入の欄を加える方法もあります。

これらは補助の観察として扱います。ブランド名の検索は、広告、報道、既存のお客様でも変わります。自己申告は不完全なことがあり、回答者がすでに参照元のグループに含まれていることもあります。できれば重複を除き、できなければ重複がありうると書きます。

報告は幅で示します。下の値は、確認できる参照元からの粗利、上の値は、それに重複を除いた自己申告の影響を加えたものです。これは前提の違いによる幅で、統計的な信頼区間でも、すべてがAIのおかげだった証拠でもありません。

比べる期間の決め方

改善を公開する前に、比較の期間を決めます。たとえば曜日のそろった4週間ずつを比べ、検討期間が長い商材なら観察を延ばします。季節の要因、キャンペーン、価格の変更、計測の変更、ページが公開された日を記録しましょう。

回答の変化を見る間は、追跡する質問(プロンプト)を変えません。LLMOの効果測定の根拠を、流入と売上の成果と並べて比べ、元の観察はAI可視性の監査の手順で残します。数が少ないなら期間を延ばしますが、それで原因を強く言えるようになるわけではありません。

SearchSealは、保存した回答でのブランドの言及と返された引用元を計測し、ページの改善の前後の観察を比べます。売上の計測やROIの計算はしません。訪問とコンバージョンはアクセス解析、売上と確定した価値はCRMや注文の記録、費用は作業の記録から集めて、式に当てはめましょう。

よくある質問

LLMO対策の診断と改善のROIの式は?

AIからとみなした粗利から診断と改善の費用を引き、その費用で割ります。100を掛けるとパーセントです。期間、どの成果をAIからとみなすかのルール、粗利の全体か増えた分の推定かを書いておきます。

粗利ではなく売上を使ってもよいですか?

売上と費用の比較は別の指標としては使えますが、販売にかかる費用を含みません。この式のROIには粗利を使い、粗利率の前提を記録しましょう。

SearchSealで売上やROIを計算できますか?

できません。SearchSealは、回答の根拠、言及、返された引用元のURLを保存し、前後の観察を比べます。売上などの数字は、アクセス解析、CRMや注文の記録、作業の記録から集めます。

direct(直接)の流入をAIからの売上に含めてよいですか?

すべてを含めてはいけません。確認できる参照元は別に報告し、そのうえで、重複を除いた自己申告とブランド名の検索の根拠を使った影響の試算を、そうと分かる形で示します。

出典

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